み 「ほらほら、これなんか可愛くない?」
い 「うーん……」
ゆ 「おーいいろは、ちょっと聞きたい事が、なにやってんだ?」
み 「あ、ゆば兄ちゃん」※ゆんゆんは、ゆばのストライキによって使用禁止となりました
ゆ 「ファッション雑誌? 随分珍しいもん読んでるじゃないか」
い 「みなもが無理やり……」
み 「だっていろは姉ちゃんったら服持って無さ過ぎなんだもんっ」
い 「良いだろう、必要ないんだから」
み 「よくなーい! せっかく可愛いんだからもっとお洒落しなきゃダメだよ!!」
い 「ダメじゃない。第一私がそんな服着たって似合わないだろう」
み 「そんなこと無いよっ、絶対似合う! ね、ゆば兄ちゃんもそう思うよね!?」
ゆ 「え、いや、俺もソッチ関係は疎いから」
み 「でもお洒落したいろは姉ちゃん見てみたいでしょっ?」
い 「そんな訳ないだろうっ、もうよせみなも」
ゆ 「……いや、ちょっと見てみたいかも」
い 「なっっっっ!!!???」
み 「でしょ、でしょ!?」
い 「ゆば、お前まで私を裏切るというのか!!?」
ゆ 「そこまで言わんでも」
み 「ゆば兄ちゃん! 今からいろは姉ちゃんと一緒にお買い物行ってきていいかな!?」
い 「今から!? いやでもほら、ゆば! お前いつも無駄遣いするなと言っているじゃないか!!?」
ゆ 「みなも、いくらなんでもそれはだめだ」
み 「なんで!!?」
い 「だから言っただろうみなも、やはり必要ないのだ、服を買うなんて無駄遣いだ」
ゆ 「行くなら明日にしなさい」
い 「!!!!!!!?????」
み 「なんでーっ!?」
ゆ 「明日なら俺も用事があるから街まで送ってやる」
い 「ゆば!!!! 何故そんなに乗り気なんだ!!!???」
ゆ 「うん、日頃無駄遣いしないだけあって結構金も貯まってきたからな。服くらい買ってもいいだろう」
み 「やったぁ! さっすがゆば兄ちゃん!!」
い 「恨む……恨むぞゆば!!」
ゆ 「明日が楽しみだなぁはっはっは」
ゆ 「じゃ、終わったらメールで連絡な」
み 「ゆば兄ちゃんは?」
ゆ 「用事が済んだら適当に時間潰す。お前らより遅くなることは無いだろ」
み 「はーい、じゃあ行ってきまーす!」
ゆ 「おう、せいぜい可愛くしてやれ。いろは、あんまりわがまま言うんじゃないぞ」
い 「…………」
ゆ 「えーっと、食料の調達はこんなもんか。洗剤もかったし欲しかった本もだいたい買ったな」
携帯 『ドナドナドーナードーナー』
ゆ 「っと、みなもからか。随分早かったな、女の買い物ってもっとかかると思ったんだが」
み 『す ぐ 来 て』
ゆ 「?」
み 「あ、ゆば兄ちゃーん! こっちこっちー!!」
ゆ 「おう、どうしたんだ? 随分早かったけど、いろはは?」
み 「うん、あんまりじっくり選んでるといろは姉ちゃんが溶けそうだったから、服はあたしと店員さんでちゃちゃっと決めちゃったんだ、けど……」
ゆ 「けど?」
み 「お会計してる間にいろは姉ちゃんがいなくなってて……」
ゆ 「見つからないのか?」
み 「うん……」
ゆ 「しょうがねぇなぁ……みなも、ちょっと来い」
み 「えっ? えっ? ゆば兄ちゃんどこ行くの??」
ゆ 「車」
み 「なんでっ!? 探さなくていいの!!?」
ゆ 「いーんだよ、あんな気まぐれネコムスメにいちいち構ってられるか」
み 「酷っ!!?? ゆば兄ちゃんあんまりだよ!!!??」
ゆ 「いいからいいから、それにほらせっかくみなもとも二人になれた事だし……」
み 「えっ、ちょ、ゆば兄、ちゃん? なんだかいつもより顔が近いよ!? うそっ、やっ、こんなとこっで、まって、まって、えっ、あっ、ちょっ、まっっ」
い 「待てーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
ゆ 「ぐぼふっ」
い 「私の行方が知れないって時になにをするつもりだこのロリコンこんな真昼間からしかも休日の街中で白昼堂々恥を知れ恥を貴様のような変質者を天地神明が許してもこの私が絶対に許さん成敗してやるから思い知るがいいオラオラオラオラオラオラオラオラァッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
ゆ 「ぐっ、ぼっ、ぶはっ、まばっ、ばって、ぼぐぇっ」
い 「ォォオラァッッッ!!!!!!!!!」
ゆ 「ぼぶぉぁーーーーっ!!!」
い 「悪は滅びた……大丈夫かみなも!?」
み 「すご……ほんとに出てきた」
い 「?」
い 「悪かった、このとおりだ」
ゆ 「……」
い 「いや、まさか芝居だとは思わなくて。あっ、いやいや、別に本気でお前がそんなことをするなんて思ったわけじゃないぞ!? ただそのちょっとびっくりして気が動転してて手加減も出来なくてだな。そもそもお前があんな紛らわしいことをしたから悪いのであって、言ってみれば今回に関しては私も被害者と言えなくもなくてあぁでも怪我をさせたことは本当に悪いと思ってるんだ! だからこうして謝っているんだしなぁゆばいい加減機嫌を直してくれないか? ほらほら、このりんごは一玉800円もするいいものだぞ。私が皮を剥いてやったから遠慮せずに食ってくれ、さぁ、ほら」
ゆ 『口の中が切れてて痛い』※筆談です
い 「…………しゅん」
み 「くすくす……」
い 「笑うなみなもっ、お前だって悪いんだぞっ」
み 「えー、あたしだって急にゆば兄ちゃんに迫られてすっごいびっくりしたんだからっ。そりゃあ途中でこっそり耳打ちされてからは演技だったけど」
ゆ 『あれはやりすぎだ』
み 「だってまさかホントに出てくるなんて思わなかったんだもん」
ゆ 『こいつは昔からかくれんぼをするとオニを近くで見ているタイプだった。絶対に最後まで見つからないが、他のみんなが捕まると寂しくて出てくる』
み 「そうなんだ、ところでゆば兄ちゃん書くの速いね」
ゆ 『気にするな』
み 「それにしてもホンット、二人ってお互いなんでも知ってるよね。」
い 「そんなこと無いぞ、知らないことなんて山ほどある」
ゆ 『それは本棚の上から二段目のあの本にはさんだアレとか机の裏の隠し棚に入ってるアレとかカーペットの下の床か』
い 「どうしてそのことを知っている貴様ァーーーーーーーーーッッッ!!!!!!!!」
み 「やめて! それ以上やったらほんとに死んじゃうよ!! ただでさえ弱肉強食思想に取り付かれた剣士くずれみたいなんだから!!!」
ゆ 『大丈夫、慣れてる』
み 「もっとダメだよ!!!」
ゆ 『それはそうと、買った服は?』
み 「え? あの時いろは姉ちゃん着てたよ??」
ゆ 『見えなかった』
い 「見なくていい」
み 「やっぱり恥ずかしいだってさ。でも安心して、いろは姉ちゃんったら大事に大事にクローゼットにしまってたから」
い 「みなもっ、余計なことを言うなっっ!」
み 「アハハ、ゴメンゴメン」
ゆ 『いろは、顔真っ赤だぞ』
い 「うるさい!!」
み 「死んじゃうってば!」
い 「もういい! 帰るぞみなも!!」
み 「あっ、ちょっと待って。ゆば兄ちゃん、はいこれ差し入れ」
ゆ 『なんだコレは』
み 「何って雑誌だよ? いろは姉ちゃんの服かったから、今度はゆば兄ちゃんの番」
ゆ 『マジデスカ』
み 「あったりまえ! じゃ、退院したらすぐ買いに行くからね。早く怪我治してねー、バイバーイ」
ゆ (むむむ…………)
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